映画『プリシラ』”Priscilla”

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 久々にパンフレットを買ったというか、これはどこまでが本当でどこが脚色だったか気になってしまった。

「ロスト・イン・トランスレーション」「マリー・アントワネット」のソフィア・コッポラ監督が、エルビス・プレスリーの元妻プリシラが1985年に発表した回想録「私のエルヴィス」をもとに、世界的スターと恋に落ちた少女の波乱の日々を描いたドラマ。

14歳の少女プリシラはスーパースターのエルビス・プレスリーと出会い、恋に落ちる。やがて彼女は両親の反対を押し切って、大邸宅でエルビスと一緒に暮らし始める。これまで経験したことのない華やかで魅惑的な世界に足を踏み入れたプリシラにとって、彼のそばでともに過ごし彼の色に染まることが全てだったが……。
https://eiga.com/movie/99907/

 
 エルビスプレスリーが、その活躍なんてどこ吹く風という、ダメ男っぷり。
 一見、彼はとても彼女を愛しているし、とにかく気にかけている描写は多いのだけど、それが言葉通りじゃないことぐらいは大方の男が気づいてしまう。そして、その疑念は、自分の普段やっている「とりあえず」の女性への態度そのものを反省するほどにタイヘンに辛いものでもある。
 男だからこそ分かる、埋め合わせの言葉が続くのだが、世の中、こんな恋愛を大真面目にやっているやつがいたりする。穿った見方をしてしまう俺のほうこそ汚れているのか・・・と思わせるほどに。
 これは全男性に感想を聞きたいが、エルビスがプリシラと初対面の時から、恋に落ちてたなんてことなくて、どうやったらこいつを手玉に取れるかって本能でしか会話してないと思う。

 大体、「10個下の14歳の女学生を好きになって」「女性は家にいるべき」という男だ。なのに、どうやら本人たちが真面目なら、という恋愛の免罪符がつく。うまく言語化できないんだけど、世の中、マメに連絡したりするクセにいざとなったら自分の弱さを言い訳にするやつが、一番やばいんだって。しかし、恋は盲目なのか・・・こういう身も蓋もないことを言ったり、やべー奴らだとヤジって、大概僕は嫌われる。

 この映画は目線、というか、このプリシラを主人公にしっかり描いて、そこに視聴者を重ねることがとても上手だった。特に、初恋の高揚感というか、背伸びした大人の社会に入るプリシラの鼓動が伝わってくるような誇張しない描写はよくできていたと思う。これは、同じ女性だから、ソフィアコッポラだから、出来た映像だと思う。そんなヤバい男をただ真面目に描くなんて同じ男としては出来ない!
 調べるとあった脚色は、実際には、プリシラの浮気があったことが描かれていなかった。その辺の経緯をぼかしたのはソフィアなりの脚色だろう。