NOT A HOTELの那須に泊まった。
WEBを見るには、ハイパーイケオシャホテルという触れ込みだ。
https://notahotel.com/shop/nasu
1泊50万円近くするのだが、当然に自前の予算ではなく、人に貰ったものである。
で、人に払ってもらってる手前で言う権利はないのだが感想がいくつかあった(魯山人は、自分の金で食べてないご飯に評論する権利はないと言っていた)。
まず、建築のスケール感はすごいが、実際は、まあまあである。これは、むしろ写真で煽りすぎた高揚感を超えなかったことでもある。
天高はあるのに、リビングから開く窓は意外とスケールが狭く、那須高原を居ながらに感じるのは難しいように思える。あと、よくPR的に使われる奥まったところの読書机であるが、滞在期間中は誰も立ち入らなかった。そこのアフォーダンスは使うことでなく、その部屋自体を鑑賞することであった。これは考えてみたら当たり前なのだけど、読書としての価値、佇むことの価値よりも、知的さを憑依させた俯瞰の写真に価値があるから、いつまでも机の写真は撮られずに引きの写真ばかりが出回る。(この出回る、という表出はもう少し考えるとおもしろそうだ)。
あと、露天風呂からの眺めが最悪だった。というか、なぜ、お風呂の目の前の植栽含め、眺めをなぜデザインしていないのか分からなかった。これだけのロケーションがありながら、露天風呂からは、剥き出しの地面が間近に見えて、その奥には地元の植木屋さんに頼んだような絶妙な植栽、それで奥に広がる台地はあんまり見えない。一方でサウナは良かったです。詳細は言えないけれど、男女でイチャつくために作ってますよね、と思った。基本は、そんなに複数人で遊べる場所ではないです。これは全体に通底しているけれど、基本、複数人で遊ぶ前提があんまりない。というか、友達と遊んだことのある人の設計じゃない気がする。
小物や家具のセレクトが微妙だった。とりあえずのジャンヌレと、リビングのローテーブルには汚れを避けるための安っぽいビニールが載っていた。全ての石鹸、化粧品類がイソップであった。イソップは素晴らしいとは思うが、それでは感度が大学生と一緒じゃないか。じゃあ、何がいいと言えば、せめて、例えば、那須の植生を活かした化粧品を国内の小さいブランドとコラボするとか・・・そういう方が良いと思うのだけど・・・これは感度の問題なので一概には言えない。大きいダイニングテーブルの半分は、天井が低く、もしちゃんと10人でご飯する機会があれば、かわいそうだなと思った。メインルームの端っこには火災報知器と非常ベルがデッカく鎮座していた。消防は蔑ろにしてはいけないが、いくらなんでもダサいだろうと思った。
暖炉に至っては、ほぼ真っ黒筒を見せつけられて、肝心の火が見えないよく分からない仕様だった。キッチンは使いづらかった。まあ、料理をする前提ではないのだろうけれど。あと、細かい話だけど、電源がどこにも見当たらなくて、PC作業には困った。
サービスの話になるが、料理を頼みたかったら3日前までに、というのも難しかった。単純な話だけど、4人で旅行行くのに、大学生のディズニーじゃないし、みんなそこそこ忙しくて、前日までは何をするとか予定は定まらない。
これは、この出張料理を請け負っている地元の飲食の知り合いに聞いたが、結局、前日だとかにオーダーが入って、しょうがなく対応してしまうが、十分なパフォーマンスが発揮できないケースが多いと。これは、どちらが悪いという話でもないのだが、50万円相当の宿に泊まっているという立場からしたら、多少のわがままは融通が効いてほしいというのは理解できる。そうなると、満遍なくレストランを抱えている大型の高級ホテルというのは、そういうことなんだろうけれど。
また、なぜここまで来て、冷蔵庫の細かいもの全てに支払いが必要か分からなかった。水のみが無料。これだけの金額なら、全てオールインクルーシブでいいんじゃないだろうが。人間の脳は、心理学的に、選択肢が増えることは快感だが、決断することは不快だという。テスラも乗れるのだが、1日1万円。普通に考えて、1泊2日だから、その単位で良いと思うのだが。
料理にしろ、テスラにしろ、ミニバーにしろ、全てオールインクルーシブという発想にはできなったのだろうか。
それで50万円が55万円になってもいいと思う。料理は、自分で料理したいからパス、だけど特に割引はないですよ。でも良いと思う。本当に豊かな人なら気にしないと思う。
というか、前述した通り、PC作業もしづらくて、料理もしづらいなら、頼むほかないというか頼んでもらうのがスタンダードの体験なんじゃないだろうか。買い出し先のスーパーからチャットで砂糖や塩胡椒があるかどうか聞いたら、1200円で前日までに頼んでくれたら準備すると返ってた時の気持ちは、中々だった。テスラも最初から付帯していたほうが、全体的に体験が良いと思う。テスラが借りられる宿泊と、テスラがついてる宿泊なら、圧倒的に格好がつくのは後者だろう。というか、一人がおサイフ役じゃない限り、複数人で行動している限り、やっぱり支払いが絡むことは合議的にならざるを得なくて、そうやって一々チャージしてくるのは余計な会話を増やして旅が面倒になる。そういうの含めて、ここの設計は友達と遊んだことがあるのかなと疑問を持っていた。専用のアプリが売りだが、質問のチャットは、AIだがなんだがでまずは関連するFAQを投げてくるのだが、それが見当違いで、有人のチャットに切り替わるのが常だった。
おそらく、値段的にサービス面ということを意識しているのだけど、そもそも期待値を上げない意味でもサービスはほぼないという認識を作ったほうがお互いに良いと思う。やるなら、例えばチェックインのときにせめて有人で対応して、何か頼みやすい雰囲気をつくるとかが大事だと思う(言い忘れたが、こちらはチェックインからチェックアウトまでオール無人のアプリ完結である)。使ったお皿はどうしたらいいのか、食洗機があるからに気を使って洗って帰ったが、これは果たしてホテルという目線では良い体験だろうか。
という訳で、提言だが、
・どのような人数の人たちが
・どのようなきっかけで
・どんな過ごし方を求めて
・どんな使い方をするか
を徹底的にブラッシュアップしたほうが良いと思う。
那須塩原駅からここまでGoogleマップの道のりを入れると、途中田んぼの脇道、車幅ギリギリという超危ない道を通る。なぜ運営がこれに気が付かずに、全ての宿泊者が毎日通っているのかと思うと・・。
全ては、宿泊費も賄えない鵜の妬みですので。
ちなみに肝心の僕たちは楽しかったというと、気のおけない友人たちとこんな悪口をいいながら、料理して酒を飲んで、お風呂に入って、最高の一晩でしたよ。