ちょうどスウェーデンの父の家に滞在している。デンマークのコペンハーゲンからは2時間くらいの、スウェーデン最西端ぐらいのところである。
デンマークとの国境、海峡に浮かぶヴェン島のティコ・ブラーエの美術館へ行ってきた。天文学者として、人類最後の肉眼観測であり且つ当時としての最高精度の観測データを残したというティコ・ブラーエだが、恥ずかしながら知らなかった。調べるとみるとケプラーが助手をしており、ニュートン力学に連なる、ケプラーの法則も彼の観測データが必須だったようだ。ちょうどニュートンの想像力ってすげえよな〜と素人な感慨を抱いていた日々だった(どんな日々だ)ので、早速行ってきた。
家の近所の港からフェリーで30分ほど行くと、ヴェン島である。リンクを飛んでみたら分かるが、ほどほどにのんびり楽しめる”良い感じ”の島である。その中心まで歩いで30分にあるのが、件の美術館である。建物こそ無いが、当時の観測施設の土台?のようなところは保存されていた。
ちなみに彼は膀胱破裂が死因の1つとして考えられており、時折にネットやTVのオモチャにされている。
彼の科学的な業績は、まあウィキペディアに任せるとして、ともかく当時の最高峰クラスの研究施設を建設し、精密な機械を作らせたのは、単独の研究者としてよりはディレクターとしての手腕が強かったかもしれない(このあたりはオッペンハイマーと被るかもしれない)。
個人的に驚いたのは、その後、ケプラー・ニュートンという現代にも連なる地動説や万有引力の基となるデータを数多も蓄積しておきながら、仮説として提出していたのは最後まで天動説だったという点だ。ちょうど読んでるいる、クラウスの地球物理の本に、「”なぜ”を気にするのは、科学的なプロセスよりも神話頼みの未開の発想で、科学的知見にたてば自然と問題になるのは、”どう”やってそれが可能になったか」(超意訳)とあった。
どれだけ科学的なデータが集まっても、”なぜ”という神話の物語を考えていたら、”どうやって”それが成り立っているかという真実には辿り着けない。
「なぜ」というのは、パーパス経営だったり、マーケティング、DX,UX、とにかくあらゆる角度から聞こえてくるマジックワードだが、それはやはり、僕ら人間が納得するための神話だったのだろうと改めて思った。だから、よくない、とかではなく。